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新シリーズ「モダン・ツーリズム・ライブラリー」第1回配本
鉄道院編纂『東亜英文旅行案内』
復刻版 全5巻+別冊解説

復刻版監修・解説:老川慶喜(立教大学経済学部教授)
An Official Guide to Eastern Asia: Trans-continental Connections between
Europe and Asia
Prepared by Imperial Japanese Government Railways

出版:2008年9月 
本体価格:\128,000 
(セット:各巻分売可能)
総頁数:約2,500頁(折込地図多数)
判型:上製・A5判
(ポケットサイズの原本を約25%拡大)
ISBN: 978-4-86166-087-0

Vol.1: Manchuria & Chosen, 1913 [朝鮮/満洲] (分売本体価格\29,800 ISBN:
978-4-86166-088-7)
Vol.2: South-Western Japan, 1914 [南西部日本] (分売本体価格\29,800 ISBN:
978-4-86166-089-4)
Vol.3: North-Eastern Japan, 1914 [北東部日本] (分売本体価格\29,800 ISBN:
978-4-86166-090-0)
Vol.4: China, 1915 [中国] (分売本体価格\29,800 ISBN: 978-4-86166-091-7)
Vol.5: East Indies. including Philippine Islands,French Indo-China, Siam,
Malay Peninsula and Dutch East Indies,
1917 [東インド -フィリピン、仏領インドシナ、蘭領インドシナ、海峡植民地-]
(分売本体価格\29,800 ISBN: 978-4-86166-092-4)

●満鉄総裁時に後藤新平が発案、後に鉄道院総裁になるや直ちに着手した『英文東亜案内』全5巻の完全復刻。
●日本人の手により真の日本文化と日本精神を全世界に宣伝し、後藤新平の描いた「世界の日本」から「日本の世界」への躍進を支援する目的    で、厖大な予算(当時の金額で約20万円)で事業化し出版された、日本人自身による初の海外向け公式旅行ガイド。約8年の歳月をかけ完成。
●ドイツの『ベデカー旅行案内』やその他の欧米人の日本旅行ガイドをはるかにしのぎ、各地の歴史、地理、文化も含め詳細な案内を多くの写真図 版、地図とともに掲載。約8年の歳月をかけ完成。
●日本、極東地域のガイドとしてながく権威を保ったが、なかでも満州、中国に関する巻は、1960年代になるまでこれ以外の欧文旅行ガイドが出版されなかったこともあり、重要な資料とされる。 (『正伝 後藤新平』第5巻
「第二次桂内閣時代 1908〜16年」第5.11章『東亜英文案内』参照。)

■監修者のことば―『東亜旅行案内』(英文版)の復刻に寄せて■ 老川 慶喜(立教大学経済学部教授)

日本の鉄道は、1906年から07年にかけて主要私鉄17社が国有化された。また、1906年11月には南満州鉄道が設立され、1908年12月には鉄道院が設置された。満鉄も鉄道院も初代総裁は後藤新平で、それからほぼ100年の年月が経過した。後藤新平の事業はきわめて多岐にわたるが、『東亜旅行案内』(英文版)の企画と刊行もそのひとつである。

後藤新平は、日露戦争後に逸早く訪露を実現し、満鉄と東清鉄道の連絡運輸開始に関する交渉を行い、西欧と東アジアを結ぶ大陸横断鉄道を完成させた。また、朝日新聞は、日露戦後における日本の国際的地位の向上と経済力の拡大を背景に、イギリスのトマス・クック社と提携して、「世界一周旅行」を企画した。大陸横断鉄道の開通と海外旅行ブームのなかで、鉄道院総裁の後藤新平は、欧米の旅行者への東アジアに関する情報提供を目的に、『東亜旅行案内』(英文版)の刊行を企画した。
  後藤新平の調査好きはつとに有名であるが、『東亜旅行案内』の刊行にあたっても、20万円以上の巨額な予算を組み、専門家を現地に派遣して徹底した現地調査を実施し、膨大な資料を集めた。そして、「満州・朝鮮」(1913年10月)、「南西日本」「北東日本」(1914年7月)、「中国」(1915年4月)、「東インド」(1917年4月)の5冊を刊行した。
   『東亜旅行案内』は、単に旅行上必要な情報ばかりでなく、欧米の実業家や資本家の投資を促すために、東アジアの産業や貿易についても詳細な調査を実施し、かなりの頁を割いている。したがって、交通史研究や後藤新平研究にとってはもちろん、アジアの「文明国」となった日露戦後の帝国日本と東アジア諸地域との関係を考える上からも、きわめて貴重な資料といえる。『東亜旅行案内』全5巻をすべて所蔵している機関はほとんどないので、同書の復刻はまことに時宜を得たもので、研究者には大いなる福音といえよう。