分野：アイルランド研究、西洋史、英国政治思想史

本書の特色
●12世紀ヘンリー２世によるアイルランド支配から19世紀の併合まで、
　 アイルランドと英国間の関係を中心に纏めたアイルランド史
●英国カトリックの視点からのユニークなアイルランド史
●アイルランド併合期の同時代の記録としても重要

カトリックの立場からアイルランドの歴史を記述した貴重な２著作の復刻です。

著者のプロウデン-Francis Plowden (1749-1829)- は英国中西部サロップ州のローマ・カトリック系の家に生まれ、イエズス会に入会、ブリュージュで教職をつとめます。その後、ロンドンで法律家の資格をとりますが、カトリックであったため職を解任され、文筆の道に進みます。法律、政治の論客として頭角をあらわしていった彼は、ウィリアム・ピットを攻撃するパンフレットを数点発表、1803年には主著 'Historical Review of the State of Ireland' を出版します。今回復刻される２書はこの 'Historical Review'を大幅に増補し大成させたアイルランド史です。これは当初英国政府からの援助による出版でしたが、その内容はカトリックである著者の反英国の姿勢を明確に打ち出しており、特にアイルランド併合後の１０年間を対象とした後半の執筆には、彼がダブリンで発見した政府の極秘文書が使われていました。このため英国政府により告発されたプロウデンは、巨額の罰金刑を逃れるためパリに亡命、その地で生涯を終えます。

後世のアイルランド研究書に大きな影響をあたえた本書は、ながく入手は困難でした。是非この機会にお求めください。

■各著作分売案内

●Francis Plowden著
The History of Ireland, from the Invasion under Henry II to its Union with Great Britain
全２巻　分売本体価￥44,000　ISBN 4-931444-68-7　底本：1809年刊（1160頁）

●Francis Plowden著
The History of Ireland, from its Union with Great Britain,
in January 1801, to October 1810
全３巻 分売本体価￥56,000　 ISBN 4-931444-69-5　底本：1811年刊（約1400頁）