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J.G.R. Forlong 著
比較宗教百科
 全3巻
Cyclopaedia of Religions 'Faith of Man'
今世紀初頭に刊行された初めての比較宗教百科全3巻完全復刻
  1997年12月刊行
1906年初版 : 1,716pp
ISBN 4-931444-04-0
価格¥60,000 (本体セット価格)
推薦文「最大級の古典の復刊を祝して」
宗教学者 山折哲雄
「比較宗教百科」といえば、すぐにも二つの大辞典が思い浮かぶ。一つがへースティングズの「宗教・倫理百科」(Hastings, J. ed.; Encyclopedia of Religion and Ethics, 12 vols., 1908-26)、 もう一つがエリアーデの「宗教百科」(Eliade, M. ed.,; Encyclopedia of Religion, 16 vols., 1987)である。ヘースティングズ「百科」とエリアーデ「百科」のあいだにはすでに半世紀以上の時間が流れている。だが、ヘースティングズ「百科」が刊行される直前に、もう一つ逸すべからざる野心的な「比較宗教百科」が編集されていたのである。それがJ.G.R. フォーロングのこの三巻本だった。1906年の刊行というから、ヘースティングズ「百科」刊行の二年前ということになる。
このフォーロングという人物のキャリアがまさに破天荒で、面白い。スコットランドに生まれ、陸軍に入ってインドに赴き、技術・工学の分野で大活躍。その間、30年以上にわたってインド、ビルマはもちろん、ギリシャ、エジプトなど世界各地を旅行して、膨大な資料を収集している。大英帝国の爛熟期が生んだ異能の一人だが、ときあたかもあのフレーザーを中心とする民族学、人類学の草創期にあたっていた。その両者に共通する関心はだた一つ、世界の諸民族のあいだにちらばる儀礼、伝承、慣習、信仰をはじめ、天文、 動植物、言語、人種などの知識と情報を網羅的に集めて分類し、多角的、重層的な比較を試みることだった。フォーロングはその仕事に25年以上の歳月をかけ、単独の力でこの「比較宗教百科」を完成させたのである。見所の一つに、たとえばフレーザーの「金枝篇」にたいする反論なども見出せるが、それよりも何よりも、ヘースティングズ「百科」に与えたであろう刺激と影響は見逃すことが出来ないはずだ。ここに、この領域における未知の大著、最大級の古典の復刊を祝して、いささか推薦の辞をのべる次第である。