詳細のお問い合わせ
ご注文はメールで…
mailAni.gif (2725 バイト)

構成

推薦文

mokuji2.gif (1400 バイト)

アーネスト・サトウ著作集
第1期:著作書籍集成 全12巻

Collected Works of Ernest Mason Satow
(Part 1 in 12 vols.)
  1998年6月刊行
品切れ
ISBN: 4-931444-06−7
幕末・維新期の日英関係を支えた英国外交官サトウの名前はあまりにも有名ですが、同時にサトウはアストン、チェンバレンなどと共に英国の日本学を築いた学者として、また広く国際関係を見渡した研究者として、数多くの著作を残しました。今回の全集はその著作のほぼ全てを網羅し集成する初めての試みで、第1期の書籍の復刻に続き、2000年刊の第2期では雑誌、新聞に発表された論文、記事等を収録しています。

第1期内容明細
Vol. 1:New Introduction by Nigel Brailey
「序文: ブリストル大学教授 N.ブレイリー」
Kuaiwa-Hen 「会話篇」1873年刊 初版
Vol. 2:Japan, 1853-1864, or Genji Yume Monogatari「馬場文英著:開国史談一名元治夢物語 (翻訳)」1905年刊第2版
Kinse Shiriaku 「椒山野史著:近世史略 (翻訳)」 1876年刊第2版
Vol.3:An English-Japanese Dictionary of the Spoken Language 「英日口語辞書(石橋政方との共著)」1879年刊第2版
Vol. 4:A Guide Book to Nikko 「日光案内」 1875年刊初版
A Handbook for Travellers in Central and Northern Japan 「日本の中部・北部案内」1884年刊 改訂第2版
Vol. 5:Japanese Chronological Tables 「日本年表」 1874年刊初版
List of Korean Geographical Names, Forming an Index to the Map of Korea, Published at Gotha and Copied from the Map of Korea Published in Tokio in 1875 by the Japanese War Department 「朝鮮地名リスト」1884年刊初版
Essay towards a Bibliography of Siam 「シャムの書誌目録に関する論文」 1886年刊初版
The Jesuit Mission Press in Japan, 1591-1610 「日本耶蘇会刊行書誌」 1888年刊初版
Vol.6:The Voyage of Captain John Saris to Japan, 1613 「ジョン・サリス船長の日本への航海」 1900年刊初版
Vol. 7:The Silesian Load and Frederick the Great 「シレジアの借款とフレデリック大帝」 1915年刊初版
Vol. 8 & 9:A Guide to Diplomatic Practice 「外交上の慣例案内 全2巻」 1922年刊改訂第2版
Vol. 10:A Diplomat in Japan 「一外交官の見た明治維新」 1921年刊初版
Vol. 11:A Diplomat in Siam by Ernest Satow, Introduced and Edited by Nigel Brailey 「ブレイリー編:一外交官の見たシャム」 1994年刊初版
Vol. 12:The Family Chronicle of the English Satows 「サトウ家年代記」 1925年刊初版
Sir Ernest Mason Satow G.C.M.G : A Memoir by B. M. Allen 「アレン著:サトウ伝」 1933年刊初版

推薦文
アーネスト・サトウ全集推薦文
「先駆者の手探りの道」
萩原 延壽(歴史家)

アーネスト・サトウは、文久2年(1862)8月、生麥事件の直前に、駐日イギリス公使館付の通訳生として、19歳ではじめて日本の土を踏んでから、幕末・維新の動乱期を目撃し、その間、その地位は通訳官、日本語書記官と昇進をつづけて、明治15年にいたつた。その後バンコク(タイ)、モンテビデオ(ウルグアイ)、タンジール(モロッコ)での勤務を経て、やがて明治28年(1895)、日清戦争直後の日本に公使として帰任し、明治33年に駐清公使に転じるまで、その職にあつた。
サトウの日本勤務は、通算すると約25年に及んだわけだが、その幕末・維新期の活躍については、邦訳されているサトウ自身の回想録『一外交官の見た明治維新』(岩波文庫)にくわしい。
しかし、サトウの活動は、たんに外交官としてのそれにとどまるものではなく、学者=外交官と呼ぶのが適当であるような、じつに多方面にわたるひろがりを持つていた。それを可能にしたのは、サトウの旺盛な知的好奇心、それを支える強靭な頭脳と勤勉な精神であつた。さらにサトウは健脚にもめぐまれていた。
そういうサトウが残した活動の全貌を、前述の回想録を含めて、すべて原文であきらかにしてくれるのが、今回復刻版として刊行される『アーネスト・サトウ全集』である。
たとえば日本研究に限つてみても、サトウの著述は、言語、宗教、歴史、地理と、いずれの分野においても、先駆者の光栄をになつている。サトウは日本側の原典にあたることによつて、宗教や歴史について書き、日本の現地を踏むことによつて、旅行案内を編んだ。サトウが歩んだのは、先駆者に不可避な困難な手探りの道であつた。
この『全集』によつて、そういう貴重な遺産が正確につたえられ、サトウの活溌な知的活動のすべてが生き生きとよみがえることを、私は期待している。