分野： アイルランド文学、英文学（19世紀）、紀行文学、西洋史

19世紀のアイルランドを旅した同時代人の貴重な記録集

19世紀アイルランドは18世紀末の部分的自治権の獲得から英国への併合、そして20世紀初頭のアイルランド自由国の成立へと、ヨーロッパ史の狭間で大きく揺れ動きます。その間アイルランドでは民族運動が高まりをみせますが、同時に英国、ヨーロッパ大陸側でもアイルランドの本質を理解しようとする欲求は膨らみ、この間にアイルランドを訪れた人々の記録、紀行文が残されます。 いままで見過ごされがちであったこれらの文献は、19世紀のアイルランドの実状を残した最も信頼できる原資料として見直されています。

本書は現在手に入れることの非常に困難なこれら文献の選集で、仏語、ハンガリー語からの初の英訳を含みます。イェーツを中心とした19世紀末のアイルランド文芸復興運動の背景や、現代の複雑な政治状況を理解する上でも不可欠基礎資料集です。

本書の特色
●19世紀のアイルランドを旅した英国、ヨーロッパ同時代人の記録
●収録7文献中3点は仏語、ハンガリー語からの初の英訳
●イェーツによるアイルランド文芸復興運動の背景理解にも貴重
●アイルランド文学、歴史研究を始め、ヨーロッパ19世紀研究に大変刺激的な原資料集